更新日: 2017年2月9日

カードローンのグレーゾーン金利とは?FPが徹底解説

「払い過ぎた利息が戻ってくる」「過払い金請求はコチラへご相談ください」というようなテレビCMをご覧になったことはありませんか?

過払い金請求とは、かつて高い金利でお金を借りた利用者が、払い過ぎた利息を消費者金融から返還してもらう手続きを行うことを指します。
この高い金利と密接に関係しているのが「グレーゾーン金利」です。

ここでは、カードローンのグレーゾーン金利について詳しく解説します。

カードローン グレーゾーン

グレーゾーン金利とは

グレーゾーン金利を簡単に説明すると、合法と違法の中間、いわば「グレーゾーン」に設定された金利のことです。
現在のカードローン業界において、「グレーゾーン金利」というものは存在していません。

なぜならば、現在の法律では法的に上限金利が定められており、「グレーゾーン」自体が存在していないからです。

グレーゾーン金利とは、出資法と利息制限法の規定金利差により生じた金利帯です。

利息制限法で言えば違法、出資法で言えば合法という、まさしく「グレーゾーン」の金利帯が存在していたことから、これを「グレーゾーン金利」と呼ぶようになりました。
グレーゾーン金利は、後に大きな社会問題へと発展しました。

グレーゾーン金利の歴史

グレーゾーン金利は、現行の貸金業法ではなく、平成22年の貸金業法改正以前の法律が原因で起こった問題です。

当時、法定上限金利は「利息制限法」と「出資法」によって定められていました。
消費者金融はどちらの法律も対象となっており、結果から見ればどちらも適法に処理すべきでした。

しかし現実は、ほとんどの消費者金融が利息制限法を超えた金利に設定していました。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか。
それは、「利息制限法」と「出資法」に大きな金利差があったからです。

利息制限法の上限金利は、

  • 借入残高10万円未満の場合…年20%
  • 借入残高10万円以上100万円未満の場合…年18%
  • 借入残高が100万円以上の場合…年15%

となっています。

対して出資法は、

年29.2%(この金利を超えて貸付した場合は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または併科)

と規定しており、これ以上の金利で貸付した業者は刑事罰に問われるようになっていました。
つまり、当時の消費者金融は、「利息制限法以上、出資法以下」の金利帯に設定していたということです。

この金利帯がいわゆる「グレーゾーン金利」です。

利息制限法は、「利息が上限利率よりも超えた場合、その超過部分は無効」と定めていました。

しかし、当時の貸金業法では、「登録を受けた貸金業者が利息契約をした際、利息制限法による上限金利を超えていても、下記要件を満たす場合は有効な利息債務の弁済とみなす」と規定していました。

要件

  1. 債務者が利息として金銭を任意に支払いしたこと
  2. 貸主が借主に対し、貸付契約後に遅滞なく所定事項を明記した契約書面を交付したこと
  3. 貸主が借主に対し、弁済の都度所定事項を記載した受領証を交付したこと
  4. 出資法に違反しないこと

これを「みなし弁済」と言います。
みなし弁済は、「条件を備えた契約を経て任意で利息を支払った場合には、利息制限法を超えた利息も元金の返済に充当されず、返還を請求できない」と規定していました。

その後、グレーゾーン金利を無効と主張する利用者と消費者金融の間で訴訟問題となり、「債務者の任意によるみなし弁済」が大きな焦点となりました。

そして、みなし弁済を主張した貸金会社に対し、平成18年1月13日の最高裁で、「債務者が利息を任意で支払うということは、債務者が利息の支払いに充当されることを認識した上で、自由意思によってこれを支払ったことをいう。

この場合には、利息制限法を超えた利息は無効であると認識している必要はない」

「しかしながら、債務者が事実上にせよ強制を受けて利息の支払いをした場合は自由意思とは言えず、みなし弁済の要件を満たしていない」

と、みなし弁済を主張した貸金会社の訴えを退けました。

つまりまとめると、「自由意思以外のグレーゾーン金利による返済はみなし弁済にはならず、元金の返済へ充当されるもの」と解釈するということです。

したがって、利息制限法を超えた利息は事実上無効となり、元金へ充当された結果過払いになってしまった金銭に関しては過払い金として請求できる、という判断に繋がるのです。
これを「過払い金請求」と言います。

ちなみに、平成22年の貸金業法改正により、出資法と利息制限法の上限金利は統一され、グレーゾーン金利は廃止となりました。また、みなし弁済の規定も削除されています。

グレーゾーン金利かどうか調べる方法

グレーゾーン金利かどうか調べる方法

グレーゾーン金利は、利息制限法以上の金利かどうかで調べることができます。
利息制限法の上限金利は、

  • 借入残高10万円未満…年率20%以下
  • 借入残高10万円以上100万円未満…年率18%以下
  • 借入残高100万円以上…年率15%以下

となっています。

以前に結んだ貸金契約がグレーゾーン金利かどうか調べる際は、消費者金融と契約した際に交付される「金銭消費貸借契約書」を参照してください。
金銭消費貸借契約書には、

  • 契約年月日
  • 限度額
  • 適用利率
  • 弁済時期
  • 遅延損害金
  • 義務に関する事項

などが明記されています。

もし金銭消費貸借契約書が無い場合は、利用した消費者金融に連絡することで再交付してもらえる可能性もありますが、あまりにも年数が経ちすぎている場合は再交付できないケースがあります。

このような場合は、返済時の領収書等に金利が記載されていないか調べてみましょう。

グレーゾーン金利で過払い請求できるのか

グレーゾーン金利で過払い請求できるのか

結論からいうと可能です。
ただし、全てのケースで可能なわけではありません。

どういうことかというと、グレーゾーン金利による過払い金請求には時効があるからです。
過払い金の時効は、「完済後から10年」となっており、時効を超えてしまった場合は過払い金を請求することができません。

したがって、過払い金の疑いがある場合は、早急な対応を検討する必要があります。

また、グレーゾーン金利による利息を支払っていたとしても、全てのケースで過払い金請求ができるわけではありません。

なぜならば、先述した「債務者の自由意思による利息の支払い」の判断が非常に難しい場合だったり、請求先の消費者金融が既に倒産していたりと、過払い金請求を行うことができない場合もあるからです。

このあたりは法的解釈を含めて事実を整理する必要がありますので、弁護士もしくは司法書士などの専門家に相談するようにしましょう。

過払い請求のやり方

過払い請求のやり方

過払い請求する際には、専門家の協力が不可欠です。
もちろん、個人で請求することも可能ですが、膨大な情報収集や法的解釈に照らした判断が必要となります。

また、個人による請求では対応してもらえない可能性もあるため、膨大な手間や多大な労力が発生する場合があります。

そのようなリスクを鑑みると、専門家に相談するほうがスムーズに手続きを行うことができるうえに、利用者自身の手間を大幅に削減することができます。

弁護士事務所の中には無料相談を実施しているところもありますので、過払い金の疑いがある場合は早急に相談すると良いでしょう。

まとめ

過払い金請求には時効があるため、早急な行動が必要です。
また、グレーゾーン金利に関する知識もあるに越したことはないので、今回触れたグレーゾーン金利の背景を頭に入れておきましょう。

当時の資料をできる限り集めたうえで、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。

執筆者情報

K&T FP事務所

はじめまして。当サイトの執筆を担当している「K&T FP事務所」と申します。どうぞよろしくお願いいたします。当サイトにおいて私は、「正しい情報を必要とする方のお手伝いをしたい」という思いで執筆しています。

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